小さな学習塾「わたる」~子ども達の自立と向き合う~

ADHDやLD、自閉症スペクトラム、アスペルガー等、生来より何らかの学びづらさを持つ子ども達の学習・生活支援を行う小さな学び舎「わたる」。その塾を経営するきつねが日々のことをぽつぽつ呟くブログです。

はははのはなし

今日は久しぶりに絵本の紹介!


毎日命がけで働いて下さっている医療従事者様のためにも、自分や家族、友人知人の為にも、今はコロナに感染しないよう気をつけるのはもちろんのこと、「それ以外の」風邪などにもなるべくかからないよう、健康体を維持しなければなりません。


……ただ、健康体であっても行きたくなる…というか、別に率先して行きたくはないが、定期的に行かないとまずい病院もありますよね?
そう、それは歯科医院!
私は毎年春先に定期検診で行くようにしているのですが、今はちょっと…躊躇しています。特に歯が痛むわけでもないなら、もうちょい様子を見ようかな…と。


しかしそんな悠長なことを言っていられない人もいるはずです。特に子ども達の中には、虫歯が深刻で、歯医者に行かざるを得ない!という子もいるかもしれません。
出来ればそんな風になってしまう前に、虫歯予防に気を遣いたいものです。
そのための一冊。


加古里子さんによる作画「はははのはなし」(福音館書店)は、1970年に第1刷が発行されてから、昨年の2019年8月に第109刷(!)まで発行されている「歯の絵本」です。超ロングセラーですね。私も子どもの頃に読みましたし、大人になった今も「鮮明に」内容もあの「何とも言えない雰囲気」も覚えていて、去年、この絵本が未だに新しく発行され続けていると知り、深く感銘しました。それでその109刷目を、「わたる」に置くため購入したのですが。


何十年ぶり(笑)かで改めてこの絵本を開いた時は、その「何とも言えない雰囲気」がぶわーっとよみがえり、「そうそう、これ!!」となりました。
この「何とも言えない」はうまく説明できないからこそ、この表現なのですが、まちがいなく言えることは「インパクトがある」ということ、「〝歯〟に関する一般的な知識を、これを読むだけで得られる、しかも分かりやすい」ということです。


歯とはなにか、人はなぜ歯をみがくのか?
それを知っている人にとっては実に「当たり前」のことなのですが、逆に知らない人(=子ども達)には、ありがた過ぎる解説書なわけです。私の勝手なイメージなのですが、ナレーターがどことなくひげもじゃの博士みたいな語り口で、今さらながら作者さんの経歴を見たら工学博士だったので、思わず「(当てた)自分すごい!」と笑ってしまいました。博士!なっとく!


正直にいって、絵柄はいかにも昭和の…と、こう書いたら失礼かもですが、何とも古い感じなのですよ。でももう、一周回っていっそ新しい、と言えないこともないです(落とした後フォローしているんじゃなく事実として…笑)。


もともと幼い頃(それこそ幼稚園の時とかだと思います)に読んだこの絵本を、何十年後かの今ふたたび偶然出会って何故こうまでハッキリ覚えていたかって、ズバリ、この絵のお陰です。
「食べ物の絵がおいしそう」だったし、「虫歯の絵がリアル」だったのです。(写実的という意味ではないです)


こんなにおいしそうな食べ物をこれからもモリモリと食べ続けたい、しかし歯磨きを怠るとこんなにも(歯は)凄惨な状態になっていく(怯)…強烈に脳裏に焼き付いたのでしょう、私は子どもの頃から歯磨きだけはしっかりやる子どもで、虫歯にもほとんどなったことがありませんでした。多分、それはこの絵本のお陰です。
幼いながらに、私は「歯を磨くことの意味」を正確に把握していたのです。


学校に入ると歯磨き指導とかされますよね?ですが正直なところ、私はそうした授業のことをぜんぜん覚えていません。「歯は磨くもの」という常識を、その頃にはもう知っていたからまともに聞かなかったのか、あるいは単純につまらなかったせいか(爆)それは分かりませんが…。
少なくとも、一方的に与えられる授業よりも、自ら手に取って読んだ絵本から学び取ったことの方が記憶に留まりやすいというのは、間違いないことのように思います。まぁ当たり前のことですよね(自分から学び得たことは吸収率・持続率も高い!)。


歯を磨くのは何故か?虫歯になるから。虫歯は痛いぞ、苦しいぞ。
そんなことは知っているよ、という子もいるかもしれない。
それでも歯を磨くのをサボる子がいるのは何故か?
やはり本当に痛い想いをしないとなかなか「実感として知る」には至らないから…「知っている」と言いつつ、その実、本当のところは「知らない」から…、だから、予防行動はできない。味わったことのない痛みを想像することはムズカシイ。


しかしこの絵本を読んだ時、私は確かに「こうなったらイヤだ、恐ろしい」と思ったし、「このモリモリごはん絵(=健康体絵)、いいなぁ」と思ったのでした。だからあんまり、というか、親からうるさく「歯を磨きなさい!」と言われた記憶がないのです。自分からガシガシ歯磨きしていましたからねぇ(今は逆に歯医者さんから「磨き過ぎだよ!」と行くたび注意されます・汗)。


そんな、率先して歯磨きするなんて、それはごん塾長が良い子だったからじゃない!?…というご意見もあるかもしれませんが…いや~、イイ子ではなかったです、間違いなく。
人間は「おそろしい」「これはかんべん」「こっちの方が良い」と思えた時、ちゃんと行動に移せるのです。それの大いなる一助となってくれた絵本が、この「はははのはなし」ということです。
全国の小中、或いは高校にすら、図書室に一冊置いておくべき絵本では(笑)!?シンプルに楽しく、時に不気味に(ここ大事)、歯の解説をしてくれる「絵」本。
ご自宅でも、そういう解説書的な絵本をたまに手に取るのも良いかもしれませんね。


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