小さな学習塾「わたる」~子ども達の自立と向き合う~

ADHDやLD、自閉症スペクトラム、アスペルガー等、生来より何らかの学びづらさを持つ子ども達の学習・生活支援を行う小さな学び舎「わたる」。その塾を経営するきつねが日々のことをぽつぽつ呟くブログです。

塾の名前を考える

塾を開くにあたって、最も頭を悩ませたと言っても過言ではないのが「名前」です。
何でも名前というのは重要です。名前をつけた途端、それそのものに命が宿るとはよく言ったものです。…実際によく言われているかは、本当のところよく知りませんが(え)、名前があり、それを呼ばれる方が心に残りやすいというのは事実でしょう。例えば、人を呼ぶ時に、「ねえ」とか「おい」とか言うよりも、「きつねのごんさん!」と呼ばれた方が、私としても「はい!」と明確に返答し、その呼んでくれた人を認識しやすくなりますから。


それと同様、「あそこの塾が」と呼ばれるより、「わたるが~」と固有名詞で呼ばれた方が親しみが増しませんか。そして、どうせ呼ばれるなら呼びやすく、覚えやすく、丸みのある名前がいいなとは、漠然と思っていました。


しかし当初は「わたる」という名前は全く頭にありませんでした。私のイメージでは、もっと「何となくかっこよく」、「何となく横文字で」(例:某ST○Pさんのように、いかにも成績が上がりそうで、且つ短くて分かりやすいやつ)、「何となく人がたくさん集まりそうな、総画数的にも縁起の良さそうな名前」という想いがありました。…いっそ占い師さんに決めてもらった方がいいんじゃないか?という、実に漠然とした想いですね。


よその学習塾さんの名前もそれはたくさん参考に拝見しましたが、これが皆さん、とてもセンスが良くて格好が良いのですよ。ですからますます、「何か気の利いた美麗な名称を!」「何かないか、何か!」と、図書館でいろいろな本や、無駄に外国語の辞典などを開く日々が続きました。←例えば「うちの塾は、フランス語で~って意味があるんですよ」な~んて言えたら、もう無条件でかっこいいじゃないですか…


前振りが長く恐縮ですが…結局、小さな学習塾「わたる」はご覧の通り、ひらがなの、短い日本語名と相成りました。呼びやすく、丸っこいところだけは当初の希望通りです。
なぜこの名前にしたのか、理由は大きく分けて3つあるのですが、今日はそのうちの1つだけお話します。


「わたる」としたのは、子ども達の「自立」が、この塾を立ち上げた大きなテーマのひとつだからです。これはホームページにも書いたことですが、子ども達には大人になった時に、親元を離れても、どんな世界へも臆せず、楽しく渡って行けるような人になってもらいたいという想いがあります。長く教育現場にいて、親御さんの悩みの多くが子ども達の自立、もっとはっきり言えば就職、そして「私がいなくても立派にやっていけるだろうか」ということではないかとは常々感じていました。私自身、高校生の進路担当をしていたことがあり、生徒たちと就職や進学対策をする中で、「まだこの子達に教えきれていないことがたくさんあるのに、外へ出ろと背中を押さなきゃならないのか」と心配や不安が大きかったので、親御さんの想いはさらにいかばかりかと思ったものです。


だからというのもありますが、「わたる」は高校生は勿論のこと、小学1年生から通える塾にしました。できれば早い段階から、そして長く子ども達と関わることができればという想いからです。…無論、このブログの自己紹介にも記した通り、別に高校3年生まで通わずとも、必要でなくなったら早く飛び立ってくれても良いのですが…(笑)。
でも時には、小さな水たまりだって「わたる」ことには勇気が要りませんか。それどころか、障害物が何もなくても、一歩を踏み出すのは怖いものです(余談ですが私も今この開塾の一歩が恐ろしくてなりません)。


だから一緒に、社会へ「わたる」ための練習ができたらいいな…と思っているわけです。
長くなったので、名前に込めた別の由来については、また別の機会に。


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