UDフォント
…と、いうタイトルのブログなのに、この字体は明朝(そしてこのブログに記事を貼り付けると違う字体に自動変換される…?)。
それはそれとして、この話題。いつかブログに書きたいと思っていたのに、そこから半年以上経ってしまいました。その間に新聞記事にもなったりして、「おおっ、そうだこれ、ブログに書こうと思っていたんだ!」と、切り取っておいたものが、またまた放置されて3ヶ月経過。思ったら即行動!を心がけなくてはなりませんね…。
で、何の話かというと、フォントのお話なのです。
先に切り抜いていた新聞記事の紹介からさせて頂きますと、記事を見たのは3月25日の東京新聞です。ちょうどコロナ対策でオンライン授業の準備などバタバタしていた頃ですね(そうか、だからブログを書いている暇がなかったんだ!…と強引な責任転嫁…)。
記事の冒頭はこれです。
「文字の形が分かりやすく、読み間違えにくいユニバーサルデザイン(UD)フォントと呼ばれる書体が教育現場で導入され始めた。文字の読み書きが困難な子どもの学習に効果があるとされるが、そうでない子も読みやすいとの調査もあり、全国の自治体から注目されている。」
UDフォントは「わたる」の教材でも活用していて、普段の授業で扱うプリントやカードもそうですが、宿題もほぼこれを使用しています(一部敢えて違うフォントを使うこともありますが)。
記事には生駒市で実施された調査のことも載っていて、障害の有無に関わらず116人の小学生に対し、「バナナは青色の野菜です」などの文を読んで正しいか答えてもらい、「一般的な書体の問題は正答率が66%だったが、UDフォントでは81%だった」との結果も紹介されていました。
そう、とにかくUDフォントは読みやすいのですよね。
もちろん、個人差はあると思うのですが、明朝より丸みがあって、太さと濃さも際立っている。
また、UDフォントは濁点を大きくするなどの工夫もされています。視力に特段の問題はなくとも、発達障がいのお子さんの中には、通常の文字を追うのに困難を示す子も多くいるので、こうして字体を少しでも読みやすいよう配慮するという試みは素晴らしいと思いますし、教える側としても、積極的に活用したいと思っています。
文字を追うのが苦痛で読書が嫌いになってしまった、教科書を読むのなんて拷問か!?…という子が少なからずいることを、普段からとても惜しく思っています。
もしそれらの文字群が、識字困難な子ども逹にとって「見たくなるような」ものに工夫されていたり、UDフォントのように「見やすい」ものであったなら。ズラズラと行間狭く書かれておらず、いっそ絵本のような読みやすい仕様であったなら。きっと「大好き!」と思えるお話も学校教科書の中にもたくさんあるだろうに…と思うんですよね。
ですから、パッと見て「見やすい!」とか、「お!?何だこれは!?」と興味が引くようなものになっているような…字体の工夫もそうなのですけど、教室で使う教材の内容そのものも、子ども達が少しでも楽しく眺められるものを心がけて、これからも作っていきたいと思っています。
ちなみに、個人的にはいろいろな字体を見比べるのが好きなので、教室では、その中から最も見やすいと思われるUDフォントを使用していますが、ブログを書く時に明朝を採用しているのは明朝も好きだからです。漢字を覚える作業では他の字体も採用したりして、子ども達にも見比べてもらっています。
要は「文字」って嫌なものじゃなくて、慣れ親しめるものなんだということも知ってもらいたいんですよね。
中学の美術では授業に文字デザインなんかも入ってくると思うのですが、あれも素敵なプログラムだと思っていて、いつか「わたる」でもグループワークなどで行いたいです。
広がれ、文字の魅力!という気持ちですね。