色選びは楽しい
今月まだ1度もブログを更新していませんでした。なるべく時間を見つけて、定期にアップする!を心がけます。
今日は色鉛筆の話をしようと思います。
以前にも書いたことかもしれませんが、塾長ごんは、子どもの頃から「文房具類」が好きなのです。
小学校低学年の頃はいろいろな柄のエンピツを集めるのが好きでしたし、学校では香り消しゴムやキラキラシールなどが流行っていたので、それを見せてもらうのも好きでした。
また、クラスメイトの「筆箱」を開けるのも趣味(?)でした。みんながみんな、いろいろな柄のカンペン(当時はカンペンが主流?)を持っていたので、まず見たいカンペンを持つ子の机の前にまで行ってその子の正面に立ち、一拍間を置いてからカンペンを指し、「見てもいい?」と断ってから開ける!これがクラス内、暗黙のルールでした(まぁ「人の物を勝手に開けてはいけない」なんて、当然のことでしょうけれど…笑)。
ところが学年が進むと、何故かあまりそういうものには興味が向かなくなり、エンピツも無地のBだったら何でも良かったり、消しゴムは「大きくてすぐなくならない物」を好んだりして。どちらかと言えば、見た目より実用性を取るようになっていった気がします。カンペンもいつしか廃れた?のか、ペンがたくさん入る布製のペン入れを使うようになりました。
そんな中、いつまでも興味が尽きなかったのが「色鉛筆」!
色鉛筆の場合、柄や入れ物が可愛い等も、まぁ注目はしますが、何と言っても「色の種類が豊富」な色鉛筆セットに猛烈な憧れがありました。
小学生の頃って、学校ではスタンダードな12色のものを使いますよね?
ところが、文房具屋さんへ行くと24色、さらに36色なんてものが売られているわけです。衝撃でした。
さらにさらに、これは親に奮発してもらったのだと思うのですが、いつだったか、60色セットのものを手にした時は飛び上がって喜びました。60色ですよ?どんなバラ色の人生ですか(言い過ぎ)。自分の中で「聞いたことのない名前の色」もあって、それはそれは嬉しかったですね。テーブルの上に1本1本並べて見たりして。
さすがにそれだけの種類を全て均等に使い切ることはできませんでしたが、今でもこのセットの入れ物や使い切れていない色の鉛筆は大事に取ってあって、「わたる」に置いてあります(木造りの可愛い箱に入っているのです)。
ところで、こうした色鉛筆の思い出を書こうと思ったのは、おもちゃ作家の杉山亮さんが、自らのツイッターで、色鉛筆についてこんなことを呟かれていたからでした。
「子どもの色鉛筆は12色より24色セットがお奨め。例えば地面を塗る時、12色の子は茶色を使う。理由は他に色がないからで、美意識は関係ない。でも24色の子が地面を塗る時は茶色か焦げ茶色か黄土色かと考えて選ぶ事になる。成長はそんな『見てちょっと考える』の膨大な積み重ねの中にあると思う。」
これを読んだ時、「なるほどなぁ~」と思いました。確かに!「何色を使おうかな!?」と考える余地がたくさんあると、夢も広がりますしね。
ただ、私の場合は、12色セットはセットで、好きなところもあったりします。というのも、限られた12色を「いかに混ぜて(=上塗りすることで)、新たな色味を出すか」に凝るのが好きだったのです(例えば草原を塗る時は、最初にうす~く黄緑で塗り、その上に黄色やら青やらを足したりするのを面白がった)。何せ当時は12色しか持っておらず、60色セットを買ってもらったのは高校生の頃だったので。
ですから、必ずしも「12色しか持っていないと考える機会が持てない」とは思わないのですが、最初に「なるほど!」と感じたように、杉山さんが仰ることもよく分かるんです。
多くの選択肢から「どれを使おうか」と選ぶ作業も、「素敵で大事なこと」だと思いますから。それに何より、楽しいですし、たくさん色があると!
これって色の話に限らないのですけれど、「選ぶこと」って、一見、簡単なようで難しかったりしますよね。
大人としては何かに迷っている子どもさんに対して、「こっちかそっち、どっちがいい?」「どっちか選ぶだけでしょ?何で決められないの!?」と思ったりすることもあると思うのですけど、子どもさんによっては、「緑か青か」どちらかを選ぶことはつまり、どちらかを「選ばない」ことに繋がるわけで、それに対して怖かったり、本当にそれでいいのか不安になったりっていうのは、当然あると思うのです。…まぁそれは往々にして色の話ではありませんけれども(笑)。
だからというわけではないですけれど、選ぶ⇒考える経験をたくさん持つに越したことはないのかな、と思います。そしてできればその行為が「どうしよう!?」と思うものではなく、「どちらにしようかな~♪」と楽しく感じられる作業だと、なお良いのかなと。
色鉛筆セットの蓋を開けて好きな色を選び、それを塗るという行為、私にはとても楽しいものでした。もともと内向的な性格だったので、独り黙々と絵を描くのが好きだったからというのもありますが。あの色を塗る行為の中で、思えばたくさんのことを想像し、その遊びの中で創造力もついた気がします。
日々のちょっとしたことが学びに繋がっているというわけですね。