小さな学習塾「わたる」~子ども達の自立と向き合う~

ADHDやLD、自閉症スペクトラム、アスペルガー等、生来より何らかの学びづらさを持つ子ども達の学習・生活支援を行う小さな学び舎「わたる」。その塾を経営するきつねが日々のことをぽつぽつ呟くブログです。

小さな学習塾「わたる」について

小さな学習塾「わたる」を開いてから、今日で1ヶ月になりました。…と言いながら、実は以下の文章はもうこの日のために書いておいたもので、自分の中ではリアル感が足りないのですが…。時々サボるこのブログも、この日は更新しなければ!と思っていたので、あらかじめ用意しておいたのです。


というわけで1ヶ月記念の今日、「わたる」について、改めて書いてみたいと思います。


「わたる」は、小学1年生から高校3年生までが通える「学習塾」です。
「塾」というと、「勉強するところ」をイメージします。もちろん、「わたる」は勉強をするところです。学習塾ですから。


多くの方が「勉強」というと、漢字を覚えたり、読解問題を解いたり、算数や数学なら計算問題や文章題、図形の証明などの演習問題を解いたり。
とにかく、「学校の授業に対応するため」「テストで良い点を取るため」「中学、高校、大学受験に合格するため」の「教科学習を行う」ことをイメージするのではないでしょうか。
一般的に現在の「塾」に対する概念はそうだと思いますし、勿論「わたる」でも、テスト対策や受験のための教科学習は行います(東大等、いわゆる超難関校に入るための勉強内容ですと、残念ながらお教えすることができないので、余所の塾へ行って頂くことになりますが…)。私自身、子ども達には社会へ出て行く前に最低限の「読み・書き・計算」ができるようになって欲しいという確固たる想いがあります。


ただ、「わたる」は、いわゆる発達障がいのお子さんを積極的に支援する塾です。特に診断が成されていなくても、「学校が苦手」「勉強が苦手」なお子さんに「学び方を知ってもらう塾」です。ですから、その目的のために教科学習を活用することは当然少なからずあるものの、国語・算数といった主要教科だけに拘らず、他の教科を取り入れてみることもあります。


とはいえ、先ほどは最低限の「読み・書き・計算」はできるようになって欲しいと書きました。ですから、そこが中心になるのは間違いないでしょう。
「読み」となれば、小学校で習う必修漢字が読めて、生活上困らない語彙力があって、本や新聞、極論を言えば、街や駅にある看板、電化製品の取り扱いマニュアルなんかが苦もなく読めるのが理想です。…文中にない「行間を読む」なんてこともできたら、それは素敵ですが、それって大人でも結構難しい…。ですので、最初は前者が目標。


「書き」なら、自分の考えを正しい文法で文章にできる。また、大切なことだけをメモするスキルを身につける、PC時代とは言え、自分の名前や住所ははっきり分かりやすく書けたら良いなぁとも思います。


そして「計算」は、四則演算ができること。特にちょっとした買い物の合計金額を弾き出せるだけの暗算力、九九などはぱっとできたらと思います。勿論、普段は計算機を使っても構わないんです。私だって家計簿をつける時は電卓必須です。しかし、例えばその電卓を使う際、お店で欲しいTシャツが原価の20%引!などと書かれてあった時、電卓内のどのボタンを押したら良いの?と困ることもあるかもしれません。最低限の「読み・書き・計算」というのは、以上のようなことを指します。これは恐らく、世間の親御さん、学校の先生とそう変わるとは思えないのですが、どうでしょうか。


ただ、その最低限の学びを得る際に、「わたる」では、その児童・生徒さんに合った学び方・ペースというのを常に一緒に探っていきたいと思うのです。計算ひとつとっても、この間もちらっと書きました、さくらんぼ算のやり方があっている子もいれば、違うやり方が良い!と言う子もいますよね。漢字の暗記だって、五感のどこを最も活用すればその子にとって覚えやすいかは十人十色。知識として吸収することが目的なのですから、そのための手段は如何様にも変えてみる。そこから、「こんな風にやればいいんだ」とか「案外できるじゃん」と思ってもらえたら、これほど嬉しいことはありません。


個別指導コースでは、仮に小学1年生でも「80分」という長時間授業を組みますが、最初は50分からという風にも始められますし、個別コースの中でも、「特に国語力を伸ばしたい」というお子さんの場合は、作文強化コースもあります。


さらに、「わたる」には集団授業のコースもあります。SSTグループコースと言って、ソーシャルスキルを学ぶクラスです。「クラス」と言っても、最大6名までの少人数ですが、やはり「ひとりで学ぶ」より「複数人で学ぶ」方が良いことも多々あります。子どもの頃は「何で学校なんてあるの」と不満を言っていた私ですが、集団内でしか学べないことがたくさんあるからこそ学校が存在しているというのは、さすがの大人なのでもう分かっています(笑)。歳の近い子たち同士が交流し、そこからの化学反応で得られる学びが学校にはたくさんありますよね(良いことも悪いことも…)。


「わたる」では特に、友人関係に困り感を抱える子を対象に、主に5つのテーマを1年間かけて様々な遊びやワークを通して学びます。
一例ですが、低学年向グループでは「お友だちを作ろう」をテーマに、「様々な挨拶、遊びの誘い方、友だちからお話を聞き出す情報収集練習(笑)、順番を守る、譲る練習」などを行います。
また、「自己主張」のテーマでは、「アイコンタクトや声の大きさの調整練習、相手からの無茶な要求を断る練習」なども課題内容として選んでいます。
その他、「対人関係のスキル」、「見通しをつけるスキル」、「社会マナー」の授業を行います。


また、「わたる」では「対話」から得られる気づきも大切にしています。
お話が苦手な生徒さんには、「遊び」をおしゃべりの代替として用います。「わたる」にはプレイルーム…というほどではないですが遊べる小空間があり、そこでは靴を脱いで大の字に寝っ転がったり、バランスボールでゴロゴロしたり、トランプやUNO、オセロなどのミニゲーム、ミニバスケットなども楽しめます。高校生だと休憩時間にひとりでスマホを眺めるなんて過ごし方もあって、それはそれで勿論自由なわけですが、なるべくなら一緒に雑談を楽しんだり遊んだり…同じ時間を共有したいと考えています。


最後に、帰る際は「本」を借りていくことを勧めます。それも「わたる」の特色です。わたるには小さいながら本棚があって、絵本、児童書、写真集等が置いてあり、1回につき2冊まで借りることができます。そして、トータルで30冊借りてくれた本好きの児童・生徒さんには、私から「今の君にふさわしい本!」と称し、私が独断と偏見で選んだ書籍を1冊プレゼントするというイベントがあります。…これも開設当初、やりたいことの一つとしてここのブログに書いたことなのですが、希望通り、始めました。まだ開塾して1ヶ月なので30冊借りる猛者とは出会えていませんが、きっとそのうち、私がわくわくして本を選べる時が来るだろうと楽しみにしています。


長々と、もしここまで読んで下さった方がいらしたらありがとうございます。
このような小さな学習塾ですが、興味を持って下さった方がいましたら、是非、下記のホームページから小さな学習塾「わたる」へ飛んで頂き、無料の入会前面談にお問い合わせをよろしくお願い致します。楽しい子どもたちとの出会いをお待ちしております。


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