小さな学習塾「わたる」~子ども達の自立と向き合う~

ADHDやLD、自閉症スペクトラム、アスペルガー等、生来より何らかの学びづらさを持つ子ども達の学習・生活支援を行う小さな学び舎「わたる」。その塾を経営するきつねが日々のことをぽつぽつ呟くブログです。

せんたくかあちゃん

天気予報はもちろん可能な限りチェックしますが、その日の天気って空を見上げれば大体の予想はつきますよね。曇っていれば「雨降りそう」とか、青空がカーッと広がっていれば「今日は良い天気だ」…って、まぁその程度の予想なのですが。大体当たる。


で、今日は明らか曇っていました。空が灰色。でも、かすか~に空の上の上の方が晴れている気がして、「大丈夫だろう」と洗濯物を干してきましたら…全然大丈夫じゃありませんでした。さきほどまでドシャドシャという音が聞こえるほどの激しい雨。今はやんでいるようですし、九州の大雨被害に比べたら洗濯物なんてどうでもいいこと過ぎるのでダメージはないです。早く九州の雨がやんで欲しい…。


気持ちも塞ぎがちなので、今日は洗濯物繋がりで1冊の絵本を紹介しようと思います。このブログでは絵本の紹介もすると書いたし、「私の好きな絵本ランキングベスト10!」などやりたいなと考えたのですが、そもそもたった10冊を選ぶのが至難の業過ぎて…。当面は気に入った絵本を1冊1冊紹介するスタイルでいこうと思います。


で、洗濯物の絵本と言えば「せんたくかあちゃん」(福音館書店)、これでしょう!!
さとうわきこさんの作絵で、1978年(!)に月刊「こどものとも」から発行され、1982年に「こどものとも傑作集」にて第1刷が刊行。そして2019年時点で第91刷…!まさにベストセラー、時代を超えてなお愛される絵本ということですね。現代では便利過ぎる洗濯機がごまんとあるじゃんとか、今どき洗濯板とたらいでもって洗濯する日本人なんているの?とか、この絵本ではどうでも良いことです。多分、この絵本を読んでそういうツッコミする子もいない気がします。ふーん、そうやって洗濯するんだくらいで、特に疑問も感じないのでは?


何故って、とにかく「せんたくかあちゃん」の勢いがスゴイ。問答無用感がすさまじい。


かあちゃんはたらいに洗濯物を放り込んで(毎日カーテン洗うとか神の所業じゃないか…)、洗濯板でゴシゴシするのが大好物。そのために生きていると言っても過言ではない洗濯マニア。洗えるなら、服じゃなくても構わない、犬でも猫でも、自分の子ども達でも、何なら犬が食べようとしていたソーセージだって洗っちゃう。


折角食べようと思っていたソーセージを石けんで洗われるなんて嫌だし(笑)、そもそも自分たちも洗われたくないから、みんな必死に逃げるのですが、かあちゃんを前に逃げられる者なんて誰1人いないわけです。かあちゃんは無敵なんです。ここで、「せんたくかあさん」だったら、或いは逃げ切れたかもしれない。「かあちゃん」相手だから負けたんじゃないか?そんな謎理論に埋没してしまうほどに、この「せんたくかあちゃん」の威力たるや、絵本を前にして、読み手まで圧倒されるほどです。


あまりネタバレしても読む楽しみがなくなるので紹介と言いながら内容にはこれ以上踏み込みませんが、中盤の事件からオチに至るまで、ホント洒落ていて最高です。そして、もしもこんな「かあちゃん」がご近所にでもいたら、きっと世の、子育てに悩んで悶々としているお母さん方は絶対的に救われますね。かあちゃんの前では、どんな悩みもスカッと吹っ飛ぶんですもん。仮に吹っ飛ばなかったら、間違いなく、このかあちゃんによって頭からたらいに放り込まれてゴシゴシ洗われて、曇りきった思考も何もかも全部ピカピカにされて気持ちもドピーカンにされちゃいます。そんな「スッキリ爽快感」がこの絵本にはあるのです。


しつこいようですが、私がハマッた「使うと気持ち良いモップ」(笑)。これに似た効果が、この絵本にもあると感じます。ピカピカとか、ゴシゴシとか、そういうものを全面に感じ取ることができる描写そのものが、実際に自分がモップを使って得た快感と似た触感の部分(?)を心地よく刺激するのではないかと思います(何だそりゃ)←自分ツッコミ


片付けが嫌いとか、お風呂が嫌いとか、もしもそういうお子さんがいたら、この「せんたくかあちゃん」を大げさに読み聞かせしてあげて、読んだ大人の側が、「あーっ、気持ち良かった!この本読んですっきりしたねぇ~!」なんて自分だけでも爽快になる様を見せてあげると、子どもにも「何だかよく分からないけどスッキリ感」が伝染するのじゃないか!?なんて思います。実際に検証したことはないので単なる想像ですが(笑)、機会があれば検証してみたい。手洗いが苦手とか綺麗に対して無関心な、不潔な子とかが「わたる」に来ないかな(不潔な子って失礼な言い草かな…笑)。


×

非ログインユーザーとして返信する