小さな学習塾「わたる」~子ども達の自立と向き合う~

ADHDやLD、自閉症スペクトラム、アスペルガー等、生来より何らかの学びづらさを持つ子ども達の学習・生活支援を行う小さな学び舎「わたる」。その塾を経営するきつねが日々のことをぽつぽつ呟くブログです。

おやつの時間

前回の記事、「銭天堂」のお話から駄菓子屋回想を少ししたので、今回もその延長上でお菓子のお話をひとつ。
お菓子というより、当塾の「おやつの時間」について。


前回少し書いたのですが、我が塾「わたる」には、休み時間に自由に食すことができる「おやつコーナー」の棚があります。
お手拭きシートや紙コップ・紙ナフキンなんかも置いてありますが、とにかく3~4種類の「おやつ」がこまごまと置いてあるカゴがありまして。お菓子の内容はいただきものであったり、塾長こだわりの安心安全な国産品(笑)であったり…でもあまり深くは考えておらず、適当です。甘いのとしょっぱいの、半々くらい入れているでしょうか。ですから、入塾の際には必ず食品アレルギーについてお尋ねします。常時おやつを置いてあるので、食べてはダメなものはありますか?という風に。


会員の生徒さん、休み時間の過ごし方はそれぞれですので、おやつを取る子もいれば、取らない子もいます。ただ、今まで一度もおやつに触れたことがない子はいないのではないかなと思います。みんな一度は取るか持ち帰るかしている気がします。


それで、そのおやつの棚!
以前こちらで店舗を構えていたオーナーさんが置いていって下さったものなのですが、形が細長くてオシャレ、引き出しも多く、いろいろなタイプの収納場所があってとても重宝しています。
で、おやつコーナーの下部にある上下開閉式の引き出し―「勝手に開けてはいけません」という注意書きがしてある―の奥に、塾長は「ある物」を入れています。


そのある物とは……そんなもったいぶった言い方をするほどのことではありませんが、そう!その「見てはいけない、開けてはいけない」場所には、塾長専用のおやつがしまわれているのです。
……しかしですね、今これを書きながら思ったのですが、「開けてはいけません」なんて赤字で書いてあったら、逆に見たくなるのが人の道ではないでしょうか?(え)


ですが、よくよく考えたら、うちの会員の生徒さんたち、そこを勝手に開けた子っていないんじゃないかな??と思い至りました。うん、いない気がする!(コッソリ開けたことのある子はいるかも知らんけど・笑。)
「何が入っているの?」と質問されたことなら何度かありますが(そりゃ気になるよね)、そういう風に訊いてもらえたら、隠すことなく開けて見せます。で、「塾長だけのおやつ」が入っているのが分かるわけですが、さらによくよく振り返ってみても、それを見て、「あー、ずるい!こっちが食べたい!」…と、言われたこともないなぁと。


おやつ棚の横には冷蔵庫があって、そこにも「塾長だけのおやつ」を入れていることがありますが(どんだけおやつ好きなのか)、それにも「これ欲しい!」と言われたことがない。
何てエライ子たちなんだ…。今改めてこれを書いていて、感動してしまいました(笑)。たまに和菓子の高そうなおやつを入れていると、「このいいやつは先生のおやつかと思った」と言って取らない子もいましたし(涙)。←えっ、ていうか、そんな値段に差はつけてないから…


実は「勝手に開けてはいけません」の注意書きは教室内のそこら中にしてあり、この冷蔵庫にしてもそうですし、奥の部屋への扉、ロッカーや教材を入れた棚にも同様の注意書きがしてあります。ロッカーには鍵がついていますが、文房具やゴミ袋など雑多な物を入れている場所には鍵がささったままで施錠してありません。
つまり「開けてはいけません」という注意書きを無視されると、自由にほいほい開けられてしまう。別に見られて困る物はありませんが、いちいち開けないで欲しいという希望があるから注意書きをしているわけで、やっぱり、勝手に開けられたら嫌ですね(笑)。


でもさっきも書きましたけれど、そういうこと言われると逆にしたくなることってないですか?
でもですね。ないんですね~、「わたる」に来てくれている子たちには、そういうのが!!
冷蔵庫も、休み時間にお茶を飲みたい場合は、みんなきちんと「冷蔵庫あけまーす」と言ってくれます。他の所にしても、「ここ開けていいですか?」と訊いてくれる。
そしておやつの時間に特化して言えば、自分で出したゴミもきちんと捨ててくれる(当たり前だけど・笑)。


まぁでも、だからこそ、ですね。だからこそ、このおやつの時間は気持ち良く維持し続けることができているんだなぁと、今これを書いていて再確認できました。


いくら「食べ&飲み放題」と称して「好きに取っていいよ」と言っていたとしても、例えば、みんながみんな、好き勝手に食べ散らかしてそのままにしていたら嫌だし。
みんながみんな、「次の人の分」のことも考えずに、「あれもこれも」って取り始めてしまったら、何だかなぁ~ってきっと思うし。
お持ち帰り自由だからって、みんながみんな、ありったけ持って帰る!とか言い出したら、やっぱり何だかなぁ~ってなっちゃうと思うし。


もしもそうなっていたら、きっとこのおやつ制度はなくすか、つまらない制限を設けるかしなくてはならなくなる。そうなったら、「おやつの時間」はとても味気なく、ちんまりしたものになる気がするんですね。
そうならずに、ごくごく自然に、ふつ~な状態でこの時間を確保できているって、凄いことなんじゃないかな?これはみんなの協力のお陰だな!としみじみと思いました。
結局、気持ちの良い「自由」って、そういうことなんですよね。


あ、そういえば、先日おやつコーナーに置いて欲しいとリクエストされた「ね〇ね〇ね〇ね」を食べたんだった!以前に「そんなもの置かない!」と販売元さんに失礼発言をかまし断固拒否したものの、「よく考えたら、食べたこともないのにまずい!と判断するのは間違っている」と思い直したという、例のアレです(※塾長、とんだ偏食家なもので、食べず嫌いも大いにあります。)


結果は…あーうん。また機会があれば…ということで…。←
いや、まずくはない、まずくはなかったですけれども(笑)。
そんな簡単にリクエストは通らないのでありました。


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