小さな学習塾「わたる」~子ども達の自立と向き合う~

ADHDやLD、自閉症スペクトラム、アスペルガー等、生来より何らかの学びづらさを持つ子ども達の学習・生活支援を行う小さな学び舎「わたる」。その塾を経営するきつねが日々のことをぽつぽつ呟くブログです。

一定の要件とは…?

4月に入ってから一度もブログを更新していませんでした。いつも読みに来て下さっている方には申し訳ありません。


遂に緊急事態宣言も発令され、「わたる」がある神奈川県もその指定都市に含まれます。「わたる」は休業要請されるような大きな塾ではありませんが、それでも会員様へは動画授業へのお知らせを送ったり、そのための準備をしたりと、何となく(?)忙しい毎日を送っています。
で、必然的に、4月に入ってから人と会う機会もめっきり減りました。塾長の場合、徒歩時々車通勤で、町中の様子もさほど見えず。ですが、今はこれで良いのでしょう。少しでも人との接触を避け、感染拡大を防ぐことに尽力しなければなりませんから。桜も気づいたら散っていました。今年はいろいろなことを諦めるしかありませんね。
とにかく早い事態の収束を願うばかりです。


ところで、中学や高校の中には、週に1度(短時間)登校等の対応を取る所もある一方で、ほとんどの学校は5月6日までお休みのようです。3月からずーっと続く、長い長い休み。学校からは定期的に宿題が配られたりもするようですが、学年一律で配布されるものなので、当然、ひとりひとりの学力に合ったものが渡されるわけではなく…。正直なところ、「こんな宿題を無造作に出されるくらいなら、ない方がいい。仮に〝教科学習〟じゃなくても、この子の為になる〝遊び〟を提案してもらった方が百倍良い…」と、心密かに歯ぎしりしてしまう例も目につきます。


いえ、仕方ないとは思うのです。先生たちもそんな、子どもたち個々にあった宿題なんて用意できるわけがないのですから。それは普段の宿題だってそうですものね。そう、仕方がない。現場は逼迫しているんだ、分かっております、文句言ってすみません。
しかし、昨日のNHKのwebニュースを見ていたら、ある記事が目に入ってしまい、「ん?んん??」と首をひねってしまいました。


それはタイトル「臨時休校 家庭学習内容『改めて学校で教える必要なし』文科省」というものでした。一部記事を抜粋しますね。


「各地で臨時休校が長期化し学習の遅れが懸念される中、萩生田文部科学大臣は特例として、一定の要件のもとで行われた家庭学習の内容を改めて学校で教える必要はないと通知したことを明らかにしました。」


……「一定の要件」とは??この説明としては以下に記載がありました。


「要件としては、家庭学習が指導計画の中に位置づけられ、教師が学習状況や成果を適切に把握することが可能となっているうえ、学校長が再度指導する必要がないと判断した場合としています。」


だそうで…。
…う、うーむ。
家庭学習って、今学校から出されているあれら宿題も該当するのだろうか…。


ま、まぁ真偽の程はよく分かりませんが、このニュースを見た時、個人的な感想としては、きっと先生たちの多くは、これを聞いて怒っているのじゃないかなぁ、校長先生も「俺かいっ!」って地団駄踏んでいるのじゃないかなぁ…と思いました。


仕方のないこととは言え、突然、奪われてしまった子ども達の学習機会。
これを、「今後どのような形で埋めていくか?」ということについては、これから様々な策が出されると思います。きっと現場では既にいろいろ出ていると思うんですよね。だって大変なことですよ、この遅れ。受験生なんてどうしたらいいのか。


で、早々お上から出てきたお声が、「家庭学習でやったものは改めて学校でやる必要がない」って……す、凄すぎる。そもそもこれ、対策じゃなかった(爆)。


各家庭、子どもたちによって事情も環境もバラバラなのに、もしこれ、校長先生が「やらなくていいだろ」って言っちゃったら、やったことにして先に行くってことなの?そんな程度でクリアできる学習を普段学校でやっているの?…って言ったら、勿論そんなわけはなく。でも、文科省はそう思っているんだと先生たちから誤解されても仕方のない発言ではないでしょうか…。こんなご時世にあまり文句は言いたくないものの、あまりにあんまりというか、教育を軽く見過ぎではないかと感じてしまい、残念でした。


海外がいち早くオンライン授業に切り替えたように、子ども達の学びをいつまでも「自習」にしていてはいけないと思う今日この頃です。前にも書いたのですが、子どもがひとりで率先して勉強できる例というのは、そんなに多くないと思うのです。大臣は子どもの頃、誰にも頼らず率先して自習して、しかもその分野をマスターできたのかなぁ(汗)。


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