名作アニメを想う
教室を愛するあまり、しつこくワックスがけをしていたらフロアが滑りやすくなってしまいました…。
ワックスなんてそんなにしょっちゅうかけるものじゃない!…とは、もちろん知っていますが、見るも鮮やか「ピッカピカ!」になっていく床を見るのが嬉しくてつい…やり過ぎてしまったのです…もう当分やりません(汗)。はぁ~、しかし綺麗だ。寝っ転がっても平気なんじゃなかろうか。やはり「あまり物がない」というのは強みですね。掃除しやすい。「わたる文庫」や、フリースペースでの玩具は少しずつでも増やしていく気満々なのですが、それ以外はなるべく余計な備品は増やさず、現状維持で行こうと固く決意する今日この頃です。お片付けの基本は、物を少なめに!ですね。
ところで当教室の壁には、昔、私が趣味で遊んでいたジグソーパズルの完成品が飾ってあるのですが、絵柄がハウス劇場「トムソーヤーの冒険」なのです。
おま~え~なら~、行け~るさ~、トム~
誰~よ~りも~、と~おく~へ~
地平~線の、か~な~た~で、待~って~いる~、素晴ら~しい、冒~険が~
ってやつです(知っている人しか知らない・笑)。
ハウス劇場とは、私が子どもの頃にやっていたアニメの総称で、いわゆる世界の名作「フランダースの犬」や「アルプスの少女ハイジ」などが1年くらい(?)の長いスパンで放送されていました。大好きで面白いアニメが終わるのは寂しいながら、「次回のハウス劇場はどんな作品を取り扱ってくれるのか?」という楽しみもありました。大人がNHKの大河ドラマに「来年はどこの時代をテーマに扱うのか!?」と注目するのに似ていたと思います。
「もう疲れたよ、パトラッシュ…」
「クララが! クララが立った~!」
これらの名台詞は、このアニメの現役世代でなくとも何となく知っていて、あまつさえネタとして使ったりする人がいるのでびっくりします。
某家庭教師の〇ライさんなんか、CMで我らがハイジやおじいさん達をとんでもキャラに仕立ててあげていて、も~けしからん!あの名作を塾の宣伝に使うとは、上手いことやりやがって大好きだ!もっと続編が見たい!…と、思ってしまいます(あれがテレビで流れていると、つい目が画面を追ってしまう・笑)。
ハウス劇場…終わってしまった時は悲しかったです。「まんが日本昔ばなし」と並んで、子ども番組として、なくてはならない存在だったと思うのです。ああして僅か30分の尺を1週間に1度だけ放送し、長い期間をかけてあれら壮大なストーリーをアニメーションで物語ってくれるなんて素敵過ぎるじゃないですか。私は「赤毛のアン」や「小公女セーラ」あたりは、あのアニメを見てから原作本を手に取りました。子どもの頃はかなり天邪鬼で、正統派主人公ってやつがあまり好きではなかったため、優等生過ぎるセーラがどうにも鼻について、どうしてあんな酷い目に遭っているのに、変わらず聖人のような態度でいられるのだ!人間じゃない!な~んて反発しながら、でも毎週めちゃくちゃ楽しみに見ていたものです(結局「好きの裏返し」で見ていたのでしょう…笑)。
ハウス劇場のアニメ話をすると、これまた大好きな絵本を語る時のように延々と話せてしまうのですが、ここで話題にしたいのは「トムソーヤーの冒険」です。恐らく、ハウス劇場作品の中でもベスト3に入る大好きなお話でした。
当教室にあるジグソーパズルには、主人公のトムと、その親友ハックが、森の中にある小さな川で釣りをしているところが描かれています。
と言っても、釣りをしているのはトムだけで、ハックはその横で寝そべって居眠り。冒険大好きで快活なトムとは対照的に、ハックは、トムが誘えば遊びにも乗るけど、基本的には落ち着いていて、昼寝が好きで、のんびりと生きていたい人。雑然とした街・人ごみはあまり好きではなくて、森で密やかに暮らしていたいという孤独を愛する少年、という印象。
ハックは浮浪児でトムと木の上に作った小屋で一人暮らしをしていて、学校にも行っていません。いつも自由気まま。「自由」に猛烈な憧れを持つ主人公のトムは、自分だって学校での勉強は好きじゃないし、家ではおばさんからガミガミ叱られるし、弟と比較されるし。親友の生き方を羨ましく思う。
けれどもハックはハックで、自由があるからこそ大変なこともあるわけで、トムは幸せ者だよって思っている。学校へ行けばトムには自分以外にたくさんの友だちがいるし、大好きなガールフレンドもいる。家には怖いけれどトムを愛してくれるおばさんに、優しいお姉さんもいる。何より、寝食(&教育)が保障されている。←ハック自身は、教育は要らないって体
こんな風に生活環境が真逆(というかハックはあり得ませんが…)の2人が、互いを羨ましいと思いながら、でも意気投合して様々な冒険を繰り広げるところが、凄く快活で楽しいのです。
あんまり立場が違うと、互いの考えがすり合わなくてうまくいかないことだって起きるかもしれないのに(実際「ハックはいいよなぁ」みたいに、相手の立場を慮らず言っちゃうこともある)、それでも何より、2人は互いのことが友だちとして大好きなんですよ。
生活環境が異なっても、互いを尊重して仲良くできる。このお話を思い出すと、どうしても「インジャン・ジョー」などの怖いエピソードが表立ってきますが、やっぱりこの作品のテーマは友情。友だちっていいなぁ…みたいな気持ちになります。
ただ、子どもの頃、友だちが少なかった私は、アニメや映画を独りで、それはそれはよく観ていたのですが(さみしい・笑)、そういう境遇だったからか?「友情もの」の作品にはあまり惹かれない傾向がありました。サポート校に勤務していた時も、友情がテーマの作品としては代表格と思われる漫画「ONE PIECE」が嫌いだと言う子が結構多くて驚きつつ、一方で納得もしたものです。
…あんな夢物語のような友情なんて本当に成立するの?友だちなんて信じていいの?というような気持ちがどこか子ども達の根底にあると、ああいう作品は逆に胸に突き刺さり過ぎて辛いものがあるのかも…と思ったのです(勿論、ワンピ大好きって子もたくさんいましたけどね)。
で、私も学生時代は例に漏れずそういうところがあったのですが、でも、それでも。「トムソーヤーの冒険」は大好きで、トムとハックのことは大好きだったわけで…。あの美しい森や街の風景そのものに惹かれていたというのもあるかもですが、やっぱり、立場の違う者同士があれだけ息を合わせ、互いを思いやる姿勢を見せる姿が、観ていて単純に気持ち良かったのでしょうね。
ああいうアニメこそ、テレビでレギュラー化して欲しいものです。綺麗事でも何でも、やはり「名作」と呼ばれるお話には、それだけ人の心を揺さぶる魔力が潜んでいると感じます(因みに私は大人になってから「ONE PIECE」を知りましたが、今の私には琴線に触れまくる、大好きな作品のひとつです。やはりその時々で好きな作品の傾向って変わりますね。)
漫画やアニメが大好きな子ども達も大歓迎です。小さな学習塾「わたる」のホームページは下記よりご覧下さい。