小さな学習塾「わたる」~子ども達の自立と向き合う~

ADHDやLD、自閉症スペクトラム、アスペルガー等、生来より何らかの学びづらさを持つ子ども達の学習・生活支援を行う小さな学び舎「わたる」。その塾を経営するきつねが日々のことをぽつぽつ呟くブログです。

高校生へのアンケート

消費者教育支援センター/生命保険文化センターによる 「平成 28 年度 高校生の消費生活と生活設計に関するアンケート調査報告書」を見たのですが、ひと目で「そうなんだー!」と思ったのは、「日常生活/授業以外の時間の過ごし方」に関する調査結果の概要です。
以下、簡単に抜粋してみますと、


*マンガや雑誌を読む/平成24年度→平成28年度(※以降は私の呟き感想です。)
女子:55.3%→30.9%(※女子のマンガを読む率がこんなにも下がって…!)
男子:35.1%→34.8%(※↑と思っていたら、男子は元からこの辺りの数値…意外。)


*携帯電話・スマートフォンでメールやSNSをする
女子:66.2%→83.3%(※高っ。スマホを持たない女子はすでに希少な存在!?)
男子:65.3%→65.8%(※まぁこのくらいが納得な数字…?)


*友人と話をする
女子:48.3%→53.6%(※上記の「メール」と「直接話す」を分けているのかな?)
男子:50.7%→35.2%(※男同士は会話が少ない??)


*家族と話をする
女子:29.0%→42.2%(※増えている!何やら安心しますね・笑。)
男子:28.7%→23.3%(※こちらは特段の変化なし。)


結果は調査機関のHP(https://www.consumer-education.jp/index.html)から詳しく見ることができます。尚、このアンケートは、無作為抽出された高校のうち、協力を承諾した88の学校に在籍する生徒さんが回答して下さったものだそうです。


高校生くらいの年代になると、メール・SNS利用率が圧倒的に高いですね。
上記にも少し触れましたが、この「メール・SNS利用」と「友人と話す」項目とを別にしているのは、「メールやLINEで交流する」ことと「直接会って話す」こととを、「別のコミュニケーション」と捉えている為に、分けて質問したのではないかと思います。


……もっとも、「SNSで交流している人たちはリアルの知り合いではない」という可能性もありますが……。
また単に、「SNS利用はツイッターやインスタ、ネットを眺めているだけで、積極的に誰かと交流を持っているわけではない」ということも考えられますね。それならば「友人と話す」項目とは、確かに別物ですものね。


それにしても、授業以外の時間=義務ではない時間と解釈したとして、その自由な時間に「友人とのおしゃべり」を選んでいるこの率は…。これを多いとみなすのか少ないとみなすのか、或いは「まぁ普通?」と感じるかは、それこそ個人差があると思うのですが、これと同じ調査内の「趣味」項目のトップが「音楽」だったので、誰かと過ごすよりも、一人の時間を大切にしたいと考えている子が多いのかな?…と、私個人は感じました(この「音楽」は、友人とカラオケに行くとか、バンドを組んで自ら演奏するということではないので)。
ちなみに私が高校生の頃なら、間違いなく「マンガを読む」を選んだでしょうね。人との付き合いにはほとほと疲れ果てておりました(高校生にして…笑)。


このマンガを読む率が減ったのは、単純にスマホ利用が増加したからだと思いますが、マンガ好きとしては少しさみしく思いました。読書が苦手でも、マンガで得られる教養というのも沢山ありますから。勿論、ネット利用を全て否定するわけではないのですが、割とフェイクニュースや適当なことをさもありなんと記述しているサイトも皆無ではないですし、書籍の方が信用度高いのは言うまでもありません。


そしてこのアンケート、「将来」についても質問しているのですが、就きたい職業を決めている高校生は約 2 割でした。これは間違いなく低い部類に入ると思いますが、日本だと「そういうもの」という流れがずっと長く続いてきての、この結果かなぁと。
ちなみに就きたい職業ナンバー1、男子は「公務員」で、女子は「保育士・幼稚園教諭」だそうです。「公務員」と言ってもいろいろあるだろうに、こういう括りになってしまっているのは何故なのか??「公務員なら何でもいい」ってことなのでしょうか(汗)。


それと「将来の夢について保護者と〝よく話す〟」高校生は増加しているそうです。最初の調査で、特に男子は「黙して語らず」のイメージそのままの数字が出ていましたが、大事なところで相談するのは、やはり家族ということでしょう!


尚、この調査に当たって、アンケートに協力してくださった先生方からも聴取をしているようですが、先生方としては、「昔と比べて持つものが変わっているので、それに対しては変化しているが、根本的なところでは変わっていないと感じる。」という意見がありました。これは私も以前のブログで紹介しました、小~中学生が自由時間に何をするか?の質問に、20年前の調査とあまり違いがない(=ファミコンが3DSになった等、持つ物は変わっているが)、というところからも「そうかもなぁ」と思います。


ですが一方で気になったのは、


「米を炊いたり湯を沸かす等、生活体験が乏しい生徒が多くなったように感じる」
「昔と比べて、発表など人前で話すことが上手な生徒が増えた印象がある。一方で、学んだ内容を要約して重要なポイントを整理するなどの手作業は苦手になっている印象」


というご意見でした。
大事なことを要約して伝える等の能力は、それこそ社会に出て仕事を始めてからは勿論、人との付き合いの際にも求められたりすることがあると思うのですが、これって結構難しいんですよね。書くのはもちろん、話す時でも。
例えば、おしゃべりが好きで、自分の楽しかったことなどを「話したい!」と言う子は多いながら、「どう面白かったのか?」「どんな内容だったのか?」といったことを、それを知らない人にうまく伝えることは苦手で、「~~~!何か面白かったんだよ!」という風になってしまうというような。
折角自分の楽しみを相手にも共有してもらいたいと思っているのに、うまく伝わらないと分かると、それを諦めてしまったり、「何で分からないの?」と相手に不満を抱いてしまっては本末転倒です。
学校での出来事や本人が楽しいと感じたテレビの内容など、親御さんが一度じっくりと聴いてあげられる場所や時間―お風呂や寝る前などーを使ってお話をさせてあげるのは、何気ない日常の中で、実は大切なものなのかもしれません。子どもが思うままに話して時系列がぐちゃぐちゃだった場合は、ちょっと手助けしてあげたりもして。ただ聴いてあげるだけではなく、煩くならない範囲で合いの手を入れてあげるのがポイントかと思います。


この調査を見ると、高校生になると家族と話す率がぐっと下がるので、高校生をお子さんに持つ親御さんがお風呂や寝る前に話を聴くのは無茶があるとして(笑)、それでも、どこかでゆったりとした対話の時間を持つことって、社会へ送り出す前に少しでも持てると良いのかもしれません。


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