小さな学習塾「わたる」~子ども達の自立と向き合う~

ADHDやLD、自閉症スペクトラム、アスペルガー等、生来より何らかの学びづらさを持つ子ども達の学習・生活支援を行う小さな学び舎「わたる」。その塾を経営するきつねが日々のことをぽつぽつ呟くブログです。

モチベーション

やたらと掃除ネタの多いこのブログ。まだ残暑厳しい折ということもあるでしょうが、こんなにも汗だくになりながら掃除をしているというのに、私の体重が減らないのは何故なのでしょう。


などという疑問は置いておきまして。
これ、愚痴というわけでは決してなく、ひとつのエピソードとして書くのですが、ここを開業する際、教室全体を掃除するのに、やはり最初だけはプロの手を借りようと思ったことがありました。
トイレは改装済みだし、壁紙も貼り替えて、すでに結構綺麗だし、自分でやれるのでは?という印象もあったのですが、換気扇やエアコン、自分では手の届かない高い所等は業者さんに頼んだ方が安全ですし、何より、きっとプロがやると「ピカピカ」になるに違いない!それが見たい!と思いまして。


業者さん探しやその手配は家族が担ってくれました。清掃業者さんって利用者がそんなにいるんだ!?と驚いたのですが、何ヶ月先まで予約でいっぱい!というところが多かったようで、家族は何件もかけて業者さんを探してくれました。また、見積もりを出してもらった際、エアコン掃除は今後もそちらにお願いするから、これよりちょっと安くできない?といった交渉までしてくれて。しかもそれにOKまで貰い!開業前、いろいろと入り用だった私は喜びました。そんな風に気前良くおまけしてくれた業者さんにも好感度大でした。


ところが、掃除に来てもらう数日前、私の携帯電話に、その値段交渉した時の社員さんから電話がかかってきたのです。
「割引しすぎたから、これじゃうちは採算が取れない」
開口一番そう言うので、「え?」となりました。来てもらう日にちや値段を決めてからもう大分経っており、しかも自分はこの話に関わっていなかったので、一瞬、展開についていけません。
しかし社員さんも困った様子で、うちはこれじゃ儲からない、困るんですと言うばかり。
それで、「じゃあ私はどうしたらいいんですかね?」と聞いたところ、「今後もエアコンの清掃はうちに任せてもらえるっていうのは間違いないですよね?」と言うので、「それは約束したって聞いているので、大丈夫ですよ」と答えたのですが…。
その後も、自分は今日仕事休みなのに、そういう電話が会社からかかってきたとか、本当にほとんど儲けがないんですとか…あれ?何かこの電話切れないけれども、どういうことなのだろう、と困惑。
しかし、さすがに鈍感な私も「あ!?これは、おまけするって言ったことを撤回させてくれってことか!?」と気づき、「じゃあ見積もり出し直してもらっていいですよ」と言ったのです。「こちらとしても、気持ちよく仕事してもらいたいんで」と。
これで問題は解決だ!…と思いきや、社員さん、何故だか慌てて、いえ、いいんです、当初のでやりますから!と言って、電話を切られたのでした。Why!?


休みの日に突然上司(?)からお怒りの電話がかかってくるのは、そりゃきつい。お前、何だこの見積もりは!?こんなんで仕事引き受けたのか、これじゃうちは儲けが少ないだろー!…みたいな感じで怒られたに違いありません。
それでびっくりして、「どうしよう!?」と思って、私の所に勢いで電話をかけてきたはいいものの、見積もりし直してもいいと言っているのに「いや、従来のままで」って返しちゃうのは…何故?つまり別段、上司から契約の見直しを頼んでみろと言われたわけではなく、割引の条件確認だけ今一度してこいってことだったのかな…?と、色々考えたものの、何にしろ、掃除してもらう前から微妙な気持ちです(笑)。


で、清掃当日、私は最初だけ立ち会ったのですが、ちょっと用事があったので、後のことは精算も含めて家族に任せました。プロのお掃除の仕事ってどんな風かな!?って、当初は「凄く」期待していて、「見てみたい!」とも思っていたのですが、如何せんそんな出来事があったのでテンションは低めでして、まぁ終わった後の状態を見られればいいや~となっていました。


尚、あくまでも家族の印象ですが、その愚痴電話をしてきた社員さん以外のスタッフさん達は何だか愛想が良くなかったらしいです。
「『安い仕事させやがって』という気持ちが態度に出てしまっていた」
と、家族は冷静に分析していましたが…。ただ、私も家族も、愚痴電話をかけてきた社員さんのことは板挟みで「可哀想だな」と同情気味でして、こちらが変におまけしてなんて言わなければこんな目に遭わなかったのにと思うと、あんまり「何その接客態度~」と怒る気にもなれませんでした。
第一、結局おまけして掃除してくれるんだから、いいじゃないですか(笑)。


で、私が用事を済ませて帰ってきた時には掃除も終わっていて、業者さんも帰った後だったのですが、「わたる」に入って、
「わあ、すごい!ピカピカだあ!!」
…というような喜びはなく、
「そうかぁ…こんな感じかぁ…」
という感想でした(笑)。あまり目立って「もの凄く綺麗になった」という風ではなかった。まぁそれはそうか。漫画じゃないのだから。


し、し、しかし。驚いたのはその後です。
何と、埃がたまっている…棚のところにこんもりと。明らかに拭いていないよコレ(汗)という箇所、発見。
さらに窓の隙間の部分には、これまた土埃が普通に溜まっているではありませんか。窓ガラスだけを拭いたのでしょう…確かに窓ガラスは綺麗になったと思うよ、うん…前よりも…微かに(爆)。
再び、あの電話を受けた直後のような微妙な気持ちがわき上がりました。


ですがこれ、私はこの業者さんがいつもこんな適当な仕事をしていると思わないんです。
多分というか絶対、最初の時点でミソがついてしまったのが敗因です。
業者さんは、うちの「儲からない仕事」に対して、高いモチベーションを維持することができなかったのでしょう。だから「まぁいいか、このくらいで」「これくらいがこの値段相当の仕事」…そんな気持ちになってしまったのじゃないかと思うんです。
それが「仕方のないこと」だとは勿論思わないわけですが、やる気がなかったのは結果を見るに確かなわけで、こんな風にされるなら「おまけ」なんてしてもらわず、元の値段で頼む方が断然良かったと「勉強」させてもらったのでした。
(※ちなみにエアコンの清掃は、約束だから1回はお願いしますけれど、2回目以降は正直に理由を話してお断りします。)


結論、何をするにもモチベーションって大事だよなぁ、という話でした(笑)。
とはいえ、「お金の為」とか外的な要因のモチベーションって長続きしないと言われていますけれどね。
「お客さんに喜んでもらえるのが楽しいからこの仕事をしている」という人と、「儲かるからこの仕事をしている」という人とでは、恐らく仕事の質も相当違うのではないか…と、この出来事を通して改めて思ってしまったのでした。


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