良かった探し
先だって、夜の時間に大分激しい雨が降ったのですが、翌日「わたる」へ来てみましたら、床の一部が水浸しに…。
実は先月も大雨の翌日には、まったく同じ場所に大きな水たまりができていたのですが、天井を見上げても別に濡れていないのです。モップで天井を拭いて確認してみても、少しも濡れていない。しかも、水たまりはその一部分だけ。何てミステリー…どういうことだ…水気のない場所にナゾの水たまりとは…!?
……と、若干怖い気持ちがしていたのですが、さすがに2回目となると、「どこからかは分からないけれど、とにかくこれは雨漏りでしょ!?」と、大家さんに連絡したところ、すぐに来て「あそこだ!」と、原因を突き止めて下さったのでした。
借りた直後に雨漏りとはびっくりでしたが、すぐ対処して頂けたので無問題です。良かった良かった。
で、この出来事でちょっと面白かったことがありまして。いや、私だけが面白いのかもしれませんが…。
その天井の水漏れ部分なのですが、これが本棚を置いていた場所の真上だったんですね。
本棚と言えばあれですよ、まだ数も70冊ほどと少ないし、本棚自体こじんまりとしているものの、我が「わたる文庫」(私が厳選して置いている本)が並んでいる場所です。
その真上で!雨漏り!!
しかし、前回も今回も本棚は全く濡れていないし、もちろん中の本も無事だったのです。
どういう仕組みで違う場所(床)に水が溜まったのか、よくは分からないのですが、とにかく本棚と本が無事だったので、私はもう、
「何てツイてるんだ!」
「やったあ!」
「ラッキー!」
と、それはもうとても喜びました。
さらにその後、パソコンやプリンターなどの機械類がある場所も無事だったことを思い出し、これまた「良かった、ラッキー!!」…と。二重の喜びです。いやー、良かった良かった、と。
……しかしよく考えたらですね、雨漏りしたこと自体はラッキーとは言いがたく、むしろ災難なのでは?にもかかわらず、私のこの喜びようは一体…?と、先ほどふと我に返りまして。そういう自分が、ちょっと面白いなと思いまして。え、面白くないですか、すみません、こんなくだらないブログで…。
ですが、本棚が無事だったことは本当に嬉しくて、心底喜んだ気持ちに偽りはなく、「喜ぶ」ってそれだけで「快」な感情に身体が満たされるわけですから、あの時の私は気分が良かったんです、間違いなく。それで、何と言いますかこういうのって、紙一重のところも、もしかしたらあるのかなと思いまして。
「雨漏り!?何なの、ここ借りたばっかりなのに!キーッ!」
な~んて、もしもヒステリックになっていたとしたら、絶対精神衛生上良くなかったはずです。しかし、そんな気持ちには全然ならなかった。何といっても、私の意識は「本棚(本)」という「別のもの」に向けられていて、そのことによって、私はもしかしたら湧き上がっていたかもしれない不快感情を回避できたというわけです。(大げさ?)
つまり精神の安寧のためには、何事も思考の転換は大事…と、思ったという話でした。
もっとも、こういうのって自分だけの問題ではなくて、周りにいる人や環境も関わっていて、今回は大家さんがすぐ来て対処して下さったのがありがたかったし、自分が毎日「わたる」の掃除をしていたため、床磨きが負担ではなく、いつもやることだから、怒ることが何もなかったというのもあります。本棚が水浸しになっていたら…怒りはしないけれど、泣いたかもしれませんが(笑)。
以前、ここのブログで「ハウス劇場」のアニメの話をしたと思うのですが、「良かった探し」をする女の子が主人公の話があったんですよね。タイトルは忘れてしまったのですが。悲しいことや不幸なことが起きても、何とかそこから「良かったこと」を探して頑張る、という健気の代表格みたいな少女のお話です。
当時は「そんなの無理だよ!」と思っていましたし、今も若干思っているところはありますが、今回床が水浸しでも「本が無事で良かった~」と…おぉ!?「良かった探し」ができているではないか!と、嬉しくなりました。
まぁ大抵のことはまだまだ無理ですけどね(常に人生要修行ですから…)。
因みに、私は自分が無理なのに、教員時代にもよくこの「良かった探し」のエピソードを生徒に話して聞かせていました。大抵が冷めた反応でしたが(笑)、それも込みでちょっと面白くて、よく言っていました。
すると冷めた反応の中にも、ネタで使う子も出てきたので、ヒットする子にはヒットするのかもしれません。難しいですけどね、良かった探しって。