前振りは必要か
ある日、教室にいたる階段を掃こうと外へ出た瞬間、ササーッ!と、ごん塾長の横をすり抜け、教室内へ入っていったヤモリさん……今日で滞在10日目でしょうか。勘弁してください。もはや我が物顔でくつろいでいらっしゃるような…?(台風だったから、尚のこと出て行く気はなかったよね…。)
当初は見かける度に虫取り網持って「うおおお」と追いかけていたのですが(怖い)、当然ヤモリさんは逃げる!走る!そうして、ごん塾長の手には到底届かないような狭い隙間に「うごおぉ~!」と入って行き…スゴッ! あんな所にまで入れちゃうんだ!? と感心したりしなかったり。
家を守って下さる=ヤモリ様と仰るくらいなので、意地悪などする気はさらさらなく、そのうち出て行ってくれるのかな~と思いつつ、いつも掃除している時などにひょっこり現われ、互いに「ぎええ~」と驚く羽目になるので…。そろそろ…おいとまを…願いたく…。
先日も机上のティッシュ箱の陰にいたため、知らずにむんずと触ってしまい、向こうも「ピャッ!」と、めちゃめちゃ高く飛び跳ねていましたけれども、ごん塾長も「うわあ~っ!」と声をあげ、お互い飛び退りました…。
今朝は普通に通路をトコトコ歩いていて、ごん塾長も「あ…いる…」と思っただけなので、お互いその存在に慣れつつあるようですが(爆)。
ところで、このヤモさんの存在を教室へ来る子ども達に伝えるべきか否か?ごん塾長は少しだけ悩みました。
例えば知らせずにいて、授業中トコトコ目の前に現われた場合、まぁ~その好き・苦手具合にもよるでしょうけれど、大体は大騒ぎになるかなぁ~というのが予測できるわけです(結構大きいし)。
そこで、最初は必ず授業前に「前振り」をしよう!と決めました。
「今この教室内には太ったヤモリさんが滞在しているけれど、姿を見かけたとしても驚かないように。そっと見守ってあげてね」
プラス、決して大声をあげたり、追いかけようとしたり、ましてや殺そうとしたりしてはイカン!ということもつけ加えようと思いました。
しかし、最初にこのことを伝えた生徒さんの反応を見て、「むむ…これは…言わなければ良かったのでは(汗)」となったのです。
その生徒さんは、「え、ホントそういうのダメなんだけど!」となり、椅子カバーを外してみたり、荷物入れを取り去ったり、とても落ち着きがなくなったのです。
そうだ…「知らぬが仏」と言うではないか。そもそも賑やかな時なんてめったに姿を現さないだろうし(ごん塾長がひとりの時は昼夜関わらず現われるけれど)、この手の生き物が苦手な子にしてみたら、「そんなの教えるな~!」となるに決まっている!
突然目にして驚かされるのと、前もって話しておいて心の構えを作っておくのとでは、後者の方が良いような気がしていたのですが、そんなこともなかったな~と。
ごん塾長、元々「授業では」この「前振り」というものをとても重視しています。
例えば「来週○○のテストするからね」は当然の当然として、「これを○回やったら(orテストで8割取れたら)この課題は卒業だよ」、「今から3分、筆記するよ」等々…前もって「終わり=ゴール」を伝えることは、努めてするようにしているのです。具体的な数値や、やることを事前に話しておくと、子ども達も突然○○をする!次はこれ!と言われるよりも、落ち着いて学習できるように思うからです。
ですからその日に勉強する内容や、それにかかる予想時間などは必ず最初に提示するようにもしています。
スケジュール通りにいかないことや、うっかり忘れて何も言わずに新しい課題を進めようとすることもありますが、そんな時は大抵渋い顔をされたり、エー!と言われます。
そのため、今回のヤモさんについては失敗だったと思うのですが(何事もケースバイケースですな…)、少なくとも学習に関しては、前振りやゴール(終わりがどこにあるか)を知ってもらうことは大切で、必要なことのように感じています。
……ヤモリエピソードからいい話みたいに締めてみた(どこが)。
変化に弱いお子さんには特に、大人の側がある程度先の見通しを伝えておくのは大事なことではないでしょうか。大人だって先が見えないと不安ですし、怖いですものね。
…ただヤモさんに関しては、今後フェイントで出てこられないことを祈ります(このブログに書いちゃったらバレるのでは…)。