小さな学習塾「わたる」~子ども達の自立と向き合う~

ADHDやLD、自閉症スペクトラム、アスペルガー等、生来より何らかの学びづらさを持つ子ども達の学習・生活支援を行う小さな学び舎「わたる」。その塾を経営するきつねが日々のことをぽつぽつ呟くブログです。

超能力を信じるor信じない?

1年前からプレイを始めて、以降「まっったく」飽きる気配のないオンラインゲームがあるのですが、そのゲーム内にいわゆる「神経衰弱」的なカードゲームがあります。レベルが上がるにつれカードの枚数が増えていくのですが、要はめくったカードの絵柄と同じ絵柄を探し当て、時間内に裏返されたカード全てをマッチングさせる、という単純な遊びです。単純ですが、記憶力を問われます。
で、この遊びをしている時に、ふと大学生の頃に受けた講義を思い出しました。


それは、超心理学実験。「人間には超能力があるや否や?」という実験です。もう何十年も前の話なので詳細は朧気ですが、エスパーさん(?)がよく使うカードありますよね。星の形をしていたり、四角だったり、川だったり。まぁ単純な記号ですが、それが6種類くらいあったのかな。勿論カードは裏返しになっており、そこに並べられているのがどのマークのカードなのかは一見して分からない。そこで、各自が己の奥底に眠るスーパーな力を発揮してカードの絵柄を当てる!何なら透視する!という実験です。


私が大学生の頃、心理学科はとても人気のある学部で、1学年に100名以上の学生がいました。いやもっとかな?とにかく大所帯の学部でして、その人間たちが、一斉に裏返しになったカードに対し「それは星だ!」「いや川だ!」と、ほぼほぼ当てずっぽうに予測しまくる(笑)。ずごい絵ヅラですよ。いやいや、当てずっぽうなんて態度じゃダメだったかも。真剣に、自分にはそういう力があるんだと思いながらやれ!とか言われたような気もします。しかもですよ、その作業を確か何百試行(!)とやった。くたくたです。もう中盤で飽きますよね。しかし超能力がある人にとっては疲れなんて関係ない、むしろ疲労しても正答率が高かったらスゴイ!ってことになるのかも?


その全試行に対し、「カードの絵柄を当てられたか、外したか」を集計し、自分の的中率は何パーセントだったかを出す。そして全体と比べる。正答率上位何パーセントかの人が超能力を持っている可能性あり!?と言われて、それはわいわいと盛り上がりました。
だって、みんな大体同じような正答率の中で、奇跡的な的中率をたたき出す人が、実際に1人とか2人いるわけです。もうみんなの羨望の的ですよ。すげー!おおー!超能力者かよ!みたいな感じでもてはやされて。羨ましいの極地です。
無論、学生のほとんどが、もてはやされた当人も含めてこう思っています。


「でも超能力なんて、ないでしょ?」


私自身もどちらかというとそっち系の人間で、あったら楽しいけれど、ないだろう…と。夢のないことを思ってしまいます。だって実際に透視ができたり、物を浮かしたり、何なら自分が浮いたり、未来を予知したり…そういう場面を見たことがないのですから。やっぱり自分で見たもの聞いたことじゃないと、なかなか実感として信じられない。


ところが大学3年生の時に出会った恩師は、「私は超能力者と会ったことがある」と言うのです。どういう経緯でそういう話になったかは覚えていませんが、私が、そういう世界の話はあまり信じていない、と言ったことから始まった会話だと記憶しています。
恩師は定年間際の女性の先生で、真面目でいつも毅然とした、本当に尊敬に値する研究者でした。私をからかうとか嘘を言うような人では決してありません。だからこそ、突然そういう話をされて戸惑ったのですが、先生は「でも普段はこの話自体あまりしない、辛い思い出だから」と仰いました。何でも、その超能力者の方は、昔は周りからもスゴイ、何か不思議な能力がある!ともてはやされ、騒がれたものの、ある日どうしてかぷっつりとその能力が使えなくなり、その途端、何だぁどうせマジックだったんでしょ?インチキだったんでしょ?嘘つき!…等々と人々から手のひらを返され、たくさん責められたと…。
先生は、「その子は人を騙すような人間じゃありませんでした。ですから、当時のあの子には本当に力があったのだと思いますよ。勿論、もう証明することはできないけれど、自分が見て知っていることだけが真実ではないですよね。世の中分からないことだらけなんですから。だから私は、超能力と呼ばれるもののことも信じているんですよ」と。


別に私も超能力を信じている人をバカにしたり否定するつもりで話したわけではなかったのですが、先生は、私がそういうものの存在を信じていないと言ったこと自体が悲しかったのだと思います。
超能力があるかないかに関わらず、物事ひとつひとつ人によって考え方が違うから、全部が全部、人と同じにはなれないし、だから先生も無理矢理私に超能力を信じろ!と言いたかったわけでは、勿論ありません。でも、先生がいつになく真剣に、世の多くの人が超能力という異端なものを弾こうとしたことで傷ついた人がいるのだ、と伝えてきたことは、今でも胸に残っています。
因みにその元超能力者の方は立派な大人となり、超能力の「ちょ」の字も出すことなく「普通の人」としての生活を取り戻し、幸せに暮らしていると聞きました。


ところで、ですね。冒頭の超心理学実験の話なのですが。
信じがたい的中率でカードの絵柄を当てた人は「超能力者の可能性あり!」と判定されたわけですけど、一方で「信じがたい率で外しまくった人」も、同様に「超能力者の可能性あり!」と判定されたのです。
曰く、「そこまで外しまくるなんて、通常考えられない。敢えて無意識のうちに当たりを回避して外れを引いたのでは?」という解釈が成り立つ、とか何とかで。
いや~面白い。
で、何をかくそう、私がそれだったのです。その「信じがたい率」とやらでカードの絵柄を外しまくった(笑)。もう、全っ然当たらない!真剣にやりましたよ?星だ!川だ!って一生懸命当てに行ったし、無意識に外そうとするとか意味が分かりません(深層心理で超能力者と判定されることに抵抗を示したのか・笑?)。


そんなわけで、当時は私も超能力者の可能性ありの少数派に分類されたので…、超能力、あったらいいなっていうことは本当に思います。何でもかんでも外しまくる能力って何に使えるのかとは思いつつ…。
思えばテストでは、5択どころか3択でも、分からない時は絶対に外す。勘で当たった試しがほぼないんです。ですから結局実力で点を取るしかなく、真面目にテスト勉強しないといけませんでした。……そういう意味では、私は「怠けが許されない」という素晴らしい超能力を授かった、と言えないこともないですね(そんな能力要らない…)。


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