小さな学習塾「わたる」~子ども達の自立と向き合う~

ADHDやLD、自閉症スペクトラム、アスペルガー等、生来より何らかの学びづらさを持つ子ども達の学習・生活支援を行う小さな学び舎「わたる」。その塾を経営するきつねが日々のことをぽつぽつ呟くブログです。

漢字の話

7月も今日で終わりですね。早くスカッとした晴れ間を見たいものです。


本日は漢字の話をひとつ。
塾長ごんは「漢字」が好きです。巷に言う「オタク」とまでは言いきれませんが、漢字の意味や成り立ちなどを知ると、「面白いな」「だからこういう形なんだ!?」と感心したり感動したりするので、割とすぐ覚えられます。


そのため、漢字に関しては「苦痛!」とか「嫌い!」とか、いっそ「憎い!!」と言った負の感情がありません。……そう、つまりは、世に五万といるであろう、漢字嫌いの子ども達とは対極の立場にあるということです。こんなことを書いたら、漢字嫌いの子たちを敵に回してしまうかもしれない。しかし、事実なのだから仕方がない。ごん塾長は漢字が嫌いではないし、むしろ好きなのです。


そんな塾長も、小学4年生までは漢字…からっきしでした。本やマンガが好きだったので、「読み」に問題はなかったと思います。いや、どうかな?マンガも児童書も基本「ふりがな」がついていましたからね。「自分は漢字が読める」と思いこんでいただけで、実際はそのふりがなを読んでいただけかもしれません(笑)。……が、何にしろ、「読めなくて困った」記憶はないです。
ただ、「これはやばいのでは…」と自覚した小4生の頃の場面は、今でもはっきり覚えています。


小学校って、今もそうだと思うのですけど、漢字10問テストとか、学期末には50問テスト、100問テストなんていうのをやって、子ども逹の漢字修得度を確認しますよね。何せ学年ごとに多少の差はあれど、毎年大量の漢字を覚えなければなりませんから。
で、塾長ごんもその例に漏れず、小4の時(多分それまでの学年でも)毎週のように漢字テストを受けておりました。詳しい記憶はありませんが、多分宿題も出ていて、そのテストの内容も予告されていたと思います。
しかし、普通に毎回、0点とか10点とかを取っていたようです。←


塾長の母親は勉強に対してとても厳しい人だったので、そんな結果を取り続けて、なぜ怒られなかったのか不思議なのですが、恐らく仕事で忙しく、「ミニ」テストにまで目が行き届かなかったのでしょう。
それをいいことに、手抜きをし続ける塾長ごん。当時「キャプ翼」にハマっていたので、暇な時はその手の絵ばかり描いていたと思われます。


ところがある日、いつものようにその悲惨なテスト結果を返却された際、担任の先生がクラスの皆の前で塾長にこう言ったのです。


「ごんさん……これは……このままでは、まずいよ……」


その先生の顔があまりに悲壮感に満ちていたので、子ども心にも「何か大変まずいのだろう」ということは分かりました。しかも皆の前で言われてちょっと恥ずかしかった…らしい(正直、「恥ずかしかった」記憶はないのですが、その教室での光景を鮮明に覚えているので、それなりの衝撃は受けたようです・笑)。


今まで何も言われなかったのに、なぜ!?
だったらもっと早く言ってくれれば良かったのに!
…と、いやいや、他人のせいにしてどうするという感じですが、まぁ今までずっとサボってきて事なきを得ていたものが、ある日突然「まずい」とか言われたら焦りますよね。そして、そうやって長らく取り組んできていなかったことを、そこから取り戻すって結構大変です。だって前の学年の漢字だって(多分)書けないわけですからね。


そこからはがむしゃらに書きました。「効率の良い覚え方」とか、今だったら子ども達にもいろいろ提案することはできますが、当時は分からないですから、「とにかく何回も書くしかない!」方式です。…きっと私は担任の先生が好きだったんでしょうね。先生の信頼を失いたくない、先生に失望されたくない、そういう気持ちもあったと思います。先生は私にガミガミ言ったり、そんなんじゃダメだ!!とかは一切言わない人でした。ただ、あんな悲しそうな顔をされたら、「やるしかねえ…!」というような、何か内側から激しく突き動かされたものがあったほどには、先生を尊敬していたし、そんな先生にがっかりされてショックだったのは間違いないです。自分の為っていうより、先生のためにやったのかもしれないです。人は偉大なり(何)。


しかし人間、そんな気合だけじゃどうにもならないこともあると思いますよ(え)。
まぁ頑張ったんですけど、その後もそんなにすぐ良い点数を取れるようにはなりませんでした。世の中そんなに甘くないのです。そもそもごん塾長は「本番」というものに非常に弱くて、「よし覚えたぞ!」と思えたものも、テスト場面になるとしれっと忘れることがたくさんありましたから。


それは勉強の仕方が甘いんだ!!息を吸うように自然に書けてやっと「理解した」と言えるんだ!!……と、言われたら……、それは、そうかもしれませんが…。


そんな結末で何が言いたいかと申しますと、特に教訓めいたものはないのですが(笑)、危機感を煽られて「勉強するようになった」ことはともかく良かったかなと。遅々とした進みながら段々と点数も取れるようになって、知らない間に「漢字っていいな」と思えるくらいにまでなったわけですし。もしもあのまま、ずっとひたすら「キャプ翼」のイラストだけ描き続けていたら……漫画家になれたかも!?…いやいや、そうじゃない、その後も漢字の書けない、0更新の人になっていたと思いますから。


ところでごん塾長、漢字が苦手なお子さんには、このワークブックをお勧めしています。↓
「漢字の基礎を育てる 形・音・意味 ワークシート①〈空間認知編〉」(発達支援ルーム まなび編著/かもがわ出版)


漢字には「形」「音・読み」「意味」の3要素があり、漢字が苦手なお子さんには、そのうちどこにつまずきがあるのか原因を探ることから始めるのが良いとされています。
例えば形を捉えることに困難を感じるお子さんには、このワークシート①のような教材を用いて、見本を見ながら点つなぎをしたり、図形を模写したり…といった練習を重ねて、書写力や筆記のコントロール力を磨いていきます。


このワークブックは、使い方によってはゲーム感覚で楽しく運筆練習ができるところが気に入っています。私も子どもの頃、こういう本と出会いたかった(笑)。
漢字のワークブックは他にもいろいろ楽しいものがあるので、また機会があるごとにこちらでも紹介していきますね。


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