小さな学習塾「わたる」~子ども達の自立と向き合う~

ADHDやLD、自閉症スペクトラム、アスペルガー等、生来より何らかの学びづらさを持つ子ども達の学習・生活支援を行う小さな学び舎「わたる」。その塾を経営するきつねが日々のことをぽつぽつ呟くブログです。

ネガティブなら得意

教室で受け身文(国語)の勉強をしていて、例えば、


お母さんは毎朝7時にぼくを起こす。


という文があったとして、


ぼくは毎朝7時に、お母さんに起こされる。


こんな感じに直せれば良いと思うのですが、
この、主語を入れ替えて、動詞を「れる・られる」の形に変える課題…意外に難しい!?
そもそも「文章の書きかえ」など普段から特段やらぬ!…という子ども達にとっては、なおのこと、「一体、何をやらされているのだ(怒)」とキレ案件だったり(笑)。←笑いではない


ところがですね、あら不思議。
ここに「タロウ君」という子がいたとします。


「先生がタロウ君を殴ったとするよ。(パンチする真似)それって、タロウ君からしてみたら、先生にどうされたってこと?」
「なぐられた!!」(なぜか嬉しそう)
「そうそう。じゃあ先生がタロウ君を蹴った!(蹴る真似)ひどいね~。つまり、タロウ君は先生にどうされたの?」
「先生にけられた!!」(ノリノリ)


…という風に、何やら「不穏な単語」だと、すぐさま受け身に直せる子が多い!?
最初は警戒感バリバリで、「動詞を受け身に直すって何!?」となっていたのに。
みんな、そんなに普段から暴力的な日常に身を置いて生きているわけ…?と不思議です。
反面、「頼る(信頼する)」「かばう」「なぐさめる」「声をかける」といった動詞だと、受け身にするのが難しい!…と、なるような気がします。
この間「語彙不足」についても書きましたが、そもそも「頼られる/信頼される」という言葉の意味自体が何?となったり。う~~~む……となってしまいます(何)。


他にも、笑う→笑われる、たたく(ぶつ)→たたかれる(ぶたれる)、怒る→怒られる、殺す→殺される(汗)…こういった言葉も得意ですね。


不穏な単語って、他にも「バカ」とか「死/ね」あたりは、「短くて言いやすい」から「すぐに言えてしまう」とは、以前から感じていたことですが、馴染みのある(?)言葉だからこそ、受け身にするのも容易なのでしょうね。そして、「言いやすい」ことと併せて、ネガティブ用語というのは頭に入りやすい(記憶しやすい)のかも…とも感じます。人間の性で!?(適当な妄想)


以前、巡回相談のお仕事で、ある学校さんを訪れた際、「ふわふわ言葉/とげとげ言葉」を考えよう!というような授業があり、模造紙いっぱいにそれらの言葉を出し合うという授業を見学させてもらったことがあります。
その時は先生のご指導(授業の持って行き方)が良かったのでしょう、ほとんど半々の割合で、どちらの言葉もたくさん出ていました。
ただ、これはかなり昔の話なので、今だったらどうだろう?と思ったりしますね。


別にネガ言葉を覚えるなってことではなく、ポジ言葉も同じようにスッと出るようになるといいのになぁと個人的には思う…という話なのでした。
ですから「わたる」では積極的に、ポジ言葉を発していこうと思っています。ポジポジ!


小さな学習塾「わたる」
https://www.wataruproject.com/

5周年

気づけば明日で6月が終わるのですが、これだけは書いておかねばと思い、慌てて参上しました(「参上」って打ち込もうとしたら「惨状」が最初に出たのですがこれは一体…)。


小さな学習塾「わたる」―上溝教育心理研究所―は、今月の12日で開塾5周年となりました。
これもひとえに、教室へ通って下さっている会員の皆様、ご相談や挨拶に来て下さる地域の保護者様、学校の先生や同業の皆様、いつも支えてくれる家族・友人・知人のおかげです。心よりお礼申し上げます。


丸5年経ったという実感はわきませんが、1日、1週間、1か月が恐ろしく早く過ぎ去っていくことだけは間違いありません。5年の間に「わたる」を卒業される生徒さんも出てきました。今年は就職しましたと挨拶に来てくれた卒業生さんもいて、とても嬉しい時間を過ごすことができました。


思えば開塾当初は、事業をサポートしてくださるという、会社営業さんからの突撃訪問&電話攻撃こそすさまじかったものの、基本的には閑古鳥だったのでヒマすぎて、ほぼ毎日このブログを書いていました。
大きな声では言えませんが、ヒマ故に教室でゲームもやっていました。手伝いに来てくれた友人から、「今すぐアンインストールしろ~!」と注意してもらったのも懐かしい思い出です。
掃除への熱量も異常でした。確か過去のブログにも書いているはずですが、毎日ワックスがけして床がピカピカになる一方、ズルズルにもなり、「滑って危険になった!」とか書いていた気がします。生徒さん達にも、「寝転がっても平気なほど清潔だから!」などと自慢していたほどです(今はさすがに「床に寝転んではいけない!寝転ぶならカーペットへ!」と言っていますよ・笑)。
あ、念のために書きますと、今でも掃除に関しては、煩いは煩いです。机の下にパッと消しカス捨てようとする所作を見せた生徒さんには、「うおっとー!」と言いますし(言語化せよ)。机上の木目が気になるからと言って、エンピツでぶす!っとやろうとする生徒さんにも「いやー!!」と叫びます(これは掃除とは別の話ですが、汚く見えるのが凄く嫌!と思ってしまうのです。一部の生徒さんからは「A(型)よりのO」と言われております)。


話が逸れましたが、とにかく開塾当初は時間が有り余っていた為、あの頃のことを思い出すと、とても懐かしい反面、あの時にもっとあれをやっておけば、これをやっておけば今もう少しラクに…などと思ってしまいます。
ありがたいことに、いつの間にやらブログをゆっくり書く時間はなくなり…。いえ、単純に私の時間の使い方が下手なだけですね。もう5年も経つのだから、もっと要領よく教室運営していきたいと思うのですが、まだまだ修行の日々です。


それでも毎日楽しく過ごせていることには、やはり感謝の想いでいっぱいです。
12日に、保護者様からお祝いのお花をいただいた時は感激しました!写真に撮ったので掲載させていただきます!


可愛い!!素敵過ぎる~きゃっほーい!!!(落ち着け)


これからも、小規模でも、末永く続けられる学習塾でありたいと思っています。
今後とも小さな学習塾「わたる」を、どうぞよろしくお願いいたします。


小さな学習塾「わたる」
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物にも心が…?

明日から新学期の所も多いと思います。
それでもまだまだ毎日暑い!ごん塾長も、教室へ来る頃には汗びっしょりになってしまいます。クーラー全開です。こんなにも酷使して、いつか壊れるのではないかと戦々恐々…。
何とかこの夏を乗り切ってくれクーラー君…と、いつも声をかけています(心の中ときどき声にも出して励ますスタンス)。


この話、以前にもしたかと思うのですが、ごん塾長、「物にも心が宿っている」と信じる純日本人(?)なので、物を大切にしない行為には容赦ありません。
物を乱暴に扱う人、苦手…!
頭にきているからと言って、ドタドタとわざと足を踏み鳴らしたり、ドアをバーン!!と大きな音立てて閉めたりとかも! 
に が て…!!!
床とドアが傷むだろーがあーーーー!!と、なります。大抵の人はなりますよね? え、ならない? 何とも思わない? そんなあー(久々の独り芝居)。


いやしかし。「常識的」に考えて、物に当たるのは「良くない」ことではないでしょうか。
子どもの頃ならまだ許されますけれど(多分)、大人はやっちゃダメでしょ?と。
ですから、教室に来る子ども達にも、例えば勉強がうまく進められないイライラを物に当たろうとしたり、実際に当たっちゃったりした子には、そのイライラは本当にその行為で解消するのか?ということと、別の方法はないのか?という話をするようにしています。※イライラしている時に、そんな冷静に物事を考えられないのは承知の上で。


これ、ごん塾長が「その行為を見ていて嫌だから」やめて欲しいってだけで、利己的だなと思う時もあります。
その子の持ち物をその子がどうしようが、本来は勝手だ…と言えないこともないでしょう? ごん塾長が汗水たらして作った問題プリントを破く…などしたら、「それは失礼だろう!」となりますけれど。そうではなく、自分の消しゴムをぶすぶす刺して怒りを鎮火させようとしたり、カバンや筆箱をバンバン机にたたきつけたりっていうのは…あ、教室の備品も傷がつくから、それはダメかな!? まぁでも、イライラしている時にそれが「人」に向くのではなく、「物」に向いているのだから、まだいいじゃん?!…と、思わないでもない。
実際に学校でも、「カッ」となった子ども達のクールダウンの方法として、柔らかいサンドバッグ風船を置いたり、座布団叩いたりはOKとかするところもありますよね。…座布団叩くのは、埃も払えるし、いい感じ?(布団干しの要領で)。


ただ、個人的には、物に当たらないで対処できるのが1番だと思っています。
それこそ「わたる」の場合なら、教室にあるバスケットボールでシュートを決めまくるとか、吉田正尚の応援(風船)バーベルで筋トレ&スクワットして怒りを発散するとか、トランプの「スピード」でうおおおおとカードを並べまくって頭をクリアーにするとか?
スーパーカロムも楽しいですね、あれはスカッとする!(ゴールを決められないと、余計にイライラする危険性はあれど…。)


要は何かを傷つけなくても、自分の感情を一時的に流したり(横に置いたり)、もっと言えば、コントロールできたら、それが1番良いは良い、と思ったりするのです。
ただ小学生さんだと、こういう「感情のコントロール」は難しいので、個人的には「流したり、横に置く」作戦で良いと思います(だって小学生の頃から「自分と向き合う」なんて、難しいじゃないですか! できる子もいるでしょうけれど、みんなが出来るワザではないと思うので)。
そうそう、ですから、「麦茶とお茶菓子で一服する」などもいいと思いますね。


今は「わたる」にアグレッシブな子がいないので、あまりこういった代替案を出す機会もなくなりましたが、くっそー、できない!消しゴムブスブス!…という子は、ごく稀にいるので、そういう時は「消しゴム君が可哀想だろ!」「消しゴム君にも心があるんだよ!?」と、ついつい、キッ!と言ってしまうことはあります。
すると大抵、「あるわけないじゃん!」「絶対ない!」と言い返されるので、「100年大事にしたら喋るようになるから、試しに100年大事にしてみ!」と言い返したりします(大人気ない大人)。
まぁー、今はいろいろ失敗してもいい。けれども、うちに来ている生徒さん達が、大人になって何か嫌なことがあった時に、むやみやたらと物に当たる人になって欲しくない~、だから物は大切にして!ということが言いたいだけ、という話なのでした(クーラーの話から飛躍したなぁ)。


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