こざるのだんびり
恒例の絵本紹介をアップしようと思って書き始めたこの記事ですが、調べたらこの絵本、もう売っていないみたいで…。
ですので、ご紹介しても「わたる」の会員さん以外の外部の方には読んでいただけないので、紹介ジャンルには入れず、日記としてつらつら感想を書こうと思います。
「こざるのだんびり」(作・絵:ボリスラフ・ストエフ/文:寺村輝夫/学研ワールドえほん第69号)は、先月ご寄付頂いた絵本の中にあったものです。
思わず「なつかしい~」と声が出てしまいました。あった…あったね、これも大好きな絵本でした。
自分が子どもの頃に読み、いろいろな意味で衝撃を受けたり、大好きで何度も読んだ作品というのは、絵本に限らずどんどん「わたる文庫」にも入れて、子ども達にも読んでもらいたいなぁという欲があります(しかし押し付けるわけにはいかないので、そっと本棚に追加しておいて、借りられるのを待つ…)。
ただ、いざそのような思い出深い作品を買って揃えておこうと思っても、タイトルが思い浮かばなかったりしまして…。
そのようなわけで、今回ありがたいご縁で偶然の再会を果たしたこの絵本を見た時は、とても嬉しい気持ちになりました。
主人公、こざるの「だんびり」は、とにかく汚い!笑
朝起きても顔を洗わないし、一度も水浴びをしたことがなく、そうすると当然身体も臭いので、誰も彼に近づこうとしない…という、孤独なこざるさんです。
幸い絵本からその「臭い」は漂ってきませんが、ジャングルの絵が原色で色鮮やかに描かれているせいか?だんびりの汚れも際立って見え、ずっと眺めていると彼のヤバい臭いも漂ってくる感じがします(笑)。他のサルたちと異なり、毛もボサボサですしね。子ども心に「だんびりはイヤだ~」などと思ったものです。
しかもだんびりは暴れん坊。自分がみんなと遊んでもらえないのはお前のせいだ!と、ぜんぜん関係ないワニのせいにして暴言を吐いてみたり、みんなから笑われると、かんしゃくを起こして物を投げつけて暴れたり…。
しかし!そのだんびりが遂に沼に引きずり込まれて、ワニにジャブジャブゴシゴシ洗われる!…そうです、絵本特有の「お約束」展開に入っていくわけですが、これがとても良い。何ともスッキリした気持ちでページを閉じることができます。短くて痛快!これぞ絵本!ってな感じです。
いわゆるお風呂もの、「常に身ぎれいにしておこうね」的なメッセージが入っている絵本は数多くありますが、決してお説教めいた感じにならず、ごく自然に、「洗うって気持ちいいー!」「きれいってステキー!」みたいなことを伝えてくれる作品は、実はそうないように思います。こういう作品が今後もたくさん出てきてくれるといいなぁ~と思いますね。